福岡市早良区藤崎の泌尿器科・皮ふ科

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【泌尿器科】包茎ってなに??

2022年10月20日
  1. 包茎ってなに?

包茎には「真性包茎」と「仮性包茎」と「かんとん包茎」の3種類があります。

「真性包茎」とは、皮がまったくむけない状態のことです。皮の出口がせまいために亀頭を露出できなくなります。亀頭部分に雑菌や垢がたまりやすくなるため、亀頭や皮の炎症を繰り返したり、性交渉の際に摩擦による痛みや、毎回皮に小さな亀裂がはいって切れてしまい痛みを伴うことがあります。

また日本泌尿器科学会の『陰茎がん診療ガイドライン』によると、包茎は陰茎がん患者の25~75%1)2)にみられ陰茎癌の強力な危険因子であると言われています。

1)Misra S, Chaturvedi A, Misra NC:Penile carcinoma:a challenge for the developing world. Lancet Oncol 5:240-247, 2004

2)Dillner J, von Krogh G, Horenblas S, Meijer CJ:Etiology of squamous cell carcinoma of the penis. Scand J Urol Nephrol Suppl :189-193, 2000

「仮性包茎」とは、亀頭部に皮がかぶっていますが、手で皮をむき亀頭を露出することができる状態のことです。皮の出口は狭くありませんので、むくときに痛みを伴うこともありません。性交渉も可能で、特段治療を介入する必要性はないように思います。ところが、この仮性包茎にも様々なタイプのものが存在します。

・余剰な皮があるタイプ

・常に皮で覆われているタイプ

・一部に軽く狭いところがあるタイプ(血のめぐりを悪くする、かんとん包茎とは別です)

  • どのようなタイプが治療をすべきか?

真性包茎は治療が検討されます。

その理由として、皮の出口がせまく亀頭を露出できないため、雑菌や垢がたまりやすくなったり、正常な性交渉が困難になったりするためです。亀頭や皮の炎症を引き起こしたり、性交渉の際にも摩擦による痛みを伴うことがあります。また日本泌尿器科学会の『陰茎がん診療ガイドライン』によると包茎は陰茎がんの危険因子であることが明らかとなっています。

真性包茎の治療費用は?

真性包茎は保険適応(保険証を提出し、一部負担金を支払って処置や診療などが受けられる制度のこと)になっています。環状切除術に準じた方法で手術を行った場合は、例えば、再診料(690円)+手術料(20400円)+処方箋料(680円)の合計21770円となった場合は、3割負担の方だと約6530円となります。(別途、薬代などがかかりますが、もちろんこれも保険適応となります)

また、仮性包茎であっても、以下に該当するようならば、治療が検討されます。

  • 余剰な皮があるタイプ:

皮がこすれて赤みや炎症を繰り返したり(亀頭包皮炎)、あるいはいわゆる仮性包茎という外見を気にされる方の場合。

  • 常に皮で覆われているタイプ:

衛生上の問題があったり、あるいは炎症(亀頭包皮炎)を繰り返したり、あるいは外見を気にされる方の場合。

※亀頭包皮炎とは、亀頭や包皮に細菌などが感染し炎症を起こし、赤みや痛みを伴うことです。包茎などを背景として繰り返すことが多くあります。

  • 一部に軽く狭いところがあるタイプ:

皮の違和感に悩んだり、皮をむくと毎回狭いところの包皮が切れてしまい痛みを伴ったり、外見を気にされる方の場合。

※亀頭のすぐ下で陰茎を締め付け、動かなくなるかんとん包茎(後述しています)とは区別してください。

  • 亀頭の裏の線上のひも部分(いわゆる裏すじ)が短く、それが突っ張って痛みを生じる場合。
  • その他、陰部には人それぞれ様々なお悩み事をかかえた方がおられます。当院ではそのお悩みひとつひとつに向き合い、最善の改善案を考え提案してまいります。どんな些細なことでも結構ですのでご相談ください。

  • すぐに来院が必要な包茎

もともと狭かった皮の出口を無理にむいてしまったせいで、亀頭が狭い包皮によって締め付けられ、もとに戻らなくなってしまった状態をかんとん包茎と呼びます。かんとん包茎はすぐに来院して治療をして頂く必要があります。

放置すると下の絵のように皮が腫れあがり強い痛みを伴うため、自分ではもとに戻すことが出来なくなります。この状態を放置すると、場合によっては亀頭へいく血のめぐりが悪くなり、亀頭の組織が壊死してしまうこともあるため、速やかに泌尿器科の受診が必要です。

  • 治療方法

「真性包茎」は手術が検討されます。

医学的に認められている手術法は『環状切開術』ですので、基本的にはそれに準じた手術法になるととご理解ください。包茎の方は包茎のみではなく、他の悩みを同時に抱えている方も多く、その方のお悩みをすべて合わせて考え、包茎手術時にその他のお悩みも解決できるように同時に修正手術ができればと考えています。

実際に手術をする際は、直前に切開ラインをマーキングしてご本人に見ていただき、納得いただいてから手術を開始するようにしています。

前述したとおり「真性包茎」は保険適応(保険証を提出し、一部負担金を支払って処置や診療などが受けられる制度のこと)ですが、「仮性包茎」は自費診療となります。

仮性包茎の治療費用は?

仮性包茎に対して環状切除術に準じた方法で手術を行った場合は、当院では120000円(税込)となります。この金額には、麻酔料+手術手技料+抜糸料(7日以上経過してから別日での抜糸)までを含みます。

当院では手術は泌尿器科専門医である男性医師1名と男性看護師1名の計2名の男性スタッフのみで手術を行いますので、安心して受診してください。

麻酔は陰茎の根元に局所麻酔薬を注入して行います。痛みが少し残る場合は、局所麻酔薬を追加で注射して痛みをとります。したがって、手術中の痛みはほとんどありません。

縫う糸は基本的に「吸収糸」といって抜糸が要らないタイプの糸を使用します。ただし、自然と糸が取れるまでには1ヶ月以上かかることもあり、創部が改善しても糸の突っ張り感や違和感が続くことから、当院では抜糸をお勧めしています。

手術後の合併症ですが、傷からの出血、傷の感染、麻酔薬のアレルギーなどが代表的です。また包皮小帯(いわゆる裏すじ)付近の腫れが起こることがあります。特に皮に炎症やむくみを繰り返している方に多いですが個人差が大きくあります。長ければ3~6ヶ月ほど続くこともあります。手術後は感染症の予防のため比較的早い段階(手術翌日)から優しく傷を洗い流していただきますが、もしも感染を起こした場合は抗生剤の内服などを行います。

  • 手術はどこで受けた方が良い?

手術はどこでも受けられるわけではなく、必要な機械として手術中の出血を止める「電気メス」は最低限必要です。また手術を行う医師は、陰部の手術症例件数をこなした日本泌尿器科学会の専門医であることが望ましいと思われます。

当院で手術を行うメリット

  • 日本泌尿器科学会専門医による手術
  • 男性スタッフのみでの手術
  • 完全個室での手術

包茎や陰部のことでお悩みのことがございましたら、どんな些細なことでも結構ですのでまずはお気軽に当院へご相談ください。

院長はもちろんのこと、もし医師に聞きづらいことであれば男性看護師へのご相談も可能です。お待ちしております。

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