① 思春期ニキビは早めの治療を
ニキビは13歳ごろより出来始め高校生にかけて悪化のピークを迎えます。多くの方が経験するため、特に思春期におけるニキビは成長過程の一つとして捉えられるので、病院を受診することも少ないです。
ただ、ニキビを放置した結果、クレーター状にニキビ跡が残り、これに悩まされる方を多くみます。凹んでしまったニキビ跡は保険治療ができず、またレーザーなどの自由診療でも治療が困難なケースが多いです。
ニキビの治療のポイントは、でき始めのニキビから治療をすることです。現在はニキビの始まりである毛穴のつまりを改善する外用剤(塗り薬)もあり、ニキビの予防も可能となりました。
どんな些細なことでも結構ですので当院まで御相談ください。
② ニキビの症状
ニキビは医学的には『尋常性ざ瘡』と言い、毛穴を中心とした慢性の炎症性疾患です。毛穴には脂腺という脂(あぶら)を出す腺が付着していて、毛穴の内部に脂を充満させています。
特に思春期になると、この脂の分泌が活発になって毛穴を埋め尽くし、さらには毛穴が皮膚表面に盛り上がるようになってしまいます。この皮膚表面の盛り上がりを『コメド』といいます。
それが進んで『赤ニキビ』になってしまったときには、すでに毛穴の奥では炎症を引き起こす物質が活発につくられています。さらに悪化すると、毛穴の奥にある壁が壊され、炎症を起こすさまざまな物質が周囲に流れ出ます。
すなわち、コメドを放置しておくと化膿したニキビがどんどん増えていきます。炎症のあるニキビを放置すると毛穴のまわりの組織も壊されてしまい、ニキビ痕として残ることがあります。
マルホ社サイトより引用
③ ニキビ跡
海外の報告では『赤ニキビ』の8.2%がアイスピック(円錐)型のニキビ跡になると報告があります。ニキビ跡には赤色が残るもの、茶色の色素沈着、クレーターのように凹んだもの、皮膚の表面が盛り上がった凸状のものなどいろいろあります。
赤色のニキビ跡、茶色い色素沈着は時間の経過とともに目立ちにくくはなりますがクレーターのように凹んだニキビ跡は保険診療では改善ができません。
当院の美容皮膚科では『ダーマペン4』という施術を行っており、ニキビ跡に有効です。詳しくは当院ホームページの『美容皮膚科』をご覧ください。もちろん院内でもご相談いただけます。
④ ニキビの治療目標
『赤ニキビ』のまわりには毛穴のつまりである『コメド』がたくさん存在していて、抗菌剤のみでは毛穴のつまりを治すことができません。
『赤ニキビ』が治ってもコメドが進んで新たな『赤ニキビ』になる可能性があります。
ニキビの治療は『コメド』の治療を続けることで、新しいニキビができるのを抑えることができます。
まずは3ヶ月を目標に治療を続けましょう。
マルホ社サイトより引用
⑤ ニキビ治療薬
日本皮膚科学会の「ざ瘡ガイドライン」では、急性炎症期での外用剤はアダパレン、過酸化ベンゾイル(BPO)、アダパレン/BPOの合剤、BPO /クリンダマイシンの合剤が強く推奨されており、重症度に応じて内服の抗菌薬の併用も推奨されています。
炎症が落ち着いた寛解維持期には外用剤のアダパレン、過酸化ベンゾイル(BPO)、アダパレン/BPOの合剤が強く推奨されています。
ニキビ治療、ニキビ跡でお悩みの方がおられましたら、是非一度当院へご相談ください。