福岡市早良区藤崎の泌尿器科・皮ふ科

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【泌尿器科】その症状、慢性前立腺炎かもしれません。

2023年10月23日

なんとなく睾丸の裏に不快感があったりジーンとした感じがあったり、尿道や足の付け根などに不快感やジーンとした感じがあったり。

その症状、慢性前立腺炎かもしれません・・・

① 慢性前立腺炎とは

慢性前立腺炎とは、尿検査で明らかな炎症が検出されないのに、残尿感や違和感、不快感の症状を陰部や会陰部(睾丸の裏側~肛門前方にかけて)に感じる症状がでてきます。

② 疫学

発症年齢は20代~と比較的若い方から発症し、成人男性の3~16%が慢性前立腺炎の症状を有しているという報告もあり、非常に多くの方がお悩みの疾患のひとつでもあります。

慢性前立腺炎の症状は多彩であり、同様の症状をきたす他の病気ではないことを確認することも非常に重要です。

③ 検査

~慢性前立腺炎と同様の症状をきたす病気~

  膀胱炎、尿道炎、精索静脈瘤、間質性膀胱炎

  鼠径ヘルニア、肛門周囲膿瘍、痔ろう

  過敏性大腸炎、大腸憩室炎、急性虫垂炎などの腸疾患

問診や検査を行い、上記のような疾患ではないことを確認します。必要時は腹部CT検査を行うこともあります。

問診も非常に重要です。

症状が悪くなるきっかけとして、お仕事がデスクワーク中心で座っている時間が長い方や、運送業などで車を運転する方が、長時間座ったあとに症状が増悪したりします。また前立腺への直接的な刺激も悪くなるきっかけであり、自転車やバイク(特にサドルの小さいもの)に乗った後や排便後(特に硬い便)に症状が悪くなる場合は、慢性前立腺炎を疑います。

④ 治療

治療は状況に応じて、抗菌薬や植物製剤(セルニルトン)などの薬を使いわけて使用していきます。

慢性前立腺炎は長期の経過をたどり、症状が軽快増悪を繰り返すことが多い病気です。増悪するきっかけが分かれば、それを避けることにより症状を増悪させないこと(生活改善)が重要です。

前立腺炎は青年以上のあらゆる年齢で起こる比較的ポピュラーな病気のひとつです。

しかしながら、その研究はあまり進んでおらず既存の治療薬で新たに慢性前立腺炎へと適応拡大となる見通しはありません。

そんななか、当院では慢性前立腺炎に対する治療でお困りの方の治療選択肢のひとつとして治験もおこなっております。募集期間は2024年3月までの予定となっています。

ご興味のある方は是非一度当院までお問合せください。

もちろん治験を希望されない方の慢性前立腺炎の治療も可能です。他院で治療中の方のセカンドオピニオンでも構いません。お困りの方がおられましたら、どうぞお気軽に受診していただけましたらと思います。

文字ばかりの投稿ですみません。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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